東野圭吾「魔女の胎動」ネタバレと感想

 
私の大好きな作家の一人。東野圭吾。
今回は彼の作品の中で「魔女の胎動」について書いていきます。

この作品は2018年5月に映画にもなった「ラプラスの魔女」の前章です。
この小説を読んでから、「魔女の胎動」を読んでも、読んだことなくても楽しめる内容です

ちなみに私は「ラプラスの魔女」を読んだことがありますが、読んだ後にもう一度読みたくなりました。なのでまた読んでみます(笑)

 


あらすじ、内容

ラプラスの魔女のキーマン的存在の羽原円華。そして今作の主人公的な存在の工藤ナユタ
この二人がかかわる出来事が短編のようになっています。

第一章
あの風に向かって飛べ

ベテランスキージャンパーの酒屋はスランプに陥っていて、上手く結果が出せないでいた。
鍼灸師のナユタはいつも通り酒屋の体を治療していたが、リタイアを考えている酒屋はいつもの調子ではなかった。不調の様子を円華に言い当てられ、家族のためにも表彰台にたちたいと願う酒屋のためにあの不思議な力で物理的に風のふく時を予知する円華。

第二章
この手で魔球を

野球でナックボーラーとして活躍していたプロ野球選手の石黒。石黒もまたナユタのところで鍼治療を受けていました。しかし、捕手の相方が膝を壊してしまい、引退を決意します。

山東という選手を後継者にしようとしますが、山東は以前はとれていた石黒のナックボールを取ることができなくなっていました。ある試合でランナーを出して以来、まったく取れなくなっていたのです。そこに円華が能力を使い、ナックルボールを取ることができるようにプランをたて、演技をします。果たして成功するのでしょうか

第三章 
その流れの行方は

ナユタとナユタの悪友、脇谷の恩師、石部のお話。
恩師の石部が息子が川で溺れて植物状態になって以降、一度も病院に顔を見せず、仕事にも行かず悩んでいた。脇谷は結婚して子供も授かったが、授かった子供のことで恩師の石部と話がしたかった。石部の息子が偶然に円華の父の病院に入院していました。

そして、なんとある特殊な手術をすれば回復するかもしれないのですが、父である石部の同意がなければできません。そこでナユタと円華は石部の悩みを解決に導きます

第四章
どの道で迷っていようとも

有名な盲目の作曲家、朝比奈もまたナユタのお得様だった。数か月ぶりに訪れると、朝比奈の世話をしていた助手が亡くなったと聞き、朝比奈はかなり落ち込んでふさぎ込んでいた。
この章でナユタの過去、秘められた部分が明らかになります。助手の死の真相を確かめに現場に向かう二人。そして真実は…。円華の本当の目的は…。

第五章
魔力の胎動

ここはラプラスの魔女で出てくる事件の前置き。ある3年前のかわいそうな事件の灰堀温泉で同じように硫化水素で亡くなった事件の真相。
そしてラプラスの魔女へとつながる部分です



ネタバレと感想



ナユタは小さいころ芸能プロダクションに入っていて、
「凍える唇」という甘粕才生監督の映画に出演していた。
ナユタという名前も偽名で、本当は違う名前であり、この「凍える唇」に出演して以来、芸能活動をやめた。第四章にでてくる朝比奈と亡くなった助手は実は恋人同士であり、ゲイであった。

ナユタの演じた役柄は性に目覚め同性愛にも目覚める役柄だったせいか、朝比奈に同志と思われるのがなんとなくいやだった。
それは自分もゲイであること、「凍える唇」に出演した際に水城という人と関係があったかもしれないこと。そしてそれらを封印し、過去から逃げているナユタ自身を救ってあげてほしいと、ある人に頼まれたことが円華の目的だったことがわかってくる。

短編集なので、まず読みやすいし、ラプラスの魔女に出てくる登場人物が出てきたり、そういうことだったんだ。と思うつながりがあってとてもおもしろかった。







Share:

0 件のコメント:

コメントを投稿